NO.0046 2007.01.03発行

《 ワークショップから・・・ 》

明けましておめでとう御座います。
 
新年になったからといって特別変わった訳ではないのにもかかわらず今年は良い年になるとイイナ・・・と思います。
 
一体何が良くなる事を希望するのか、余り深い考えも無いまま唯ただ、そう思うばかりなのですが。
 
良い事って何なのでしょうか?
 
過去のメルマガを読み返してみると、やはり良い年になるよう祈り続けています。52回も新しい年を迎えているのに、同じ事を繰り返し望んでいる訳ですからよほど良い事がなかったのかな?
 
悪い事が起こった年には、良い年と言うのは、余り変化が無く平穏無事で、いつもと変わりの無い年と言う事なのかな・・・と考える様になります。
 
少なくとも我々は毎年老化して行く訳ですし、何時もお話しするとおり世の中、そうそう良い事は起こらないので、変化するとすれば一般的に考えてあまり良い変化が期待できるものではありません。
 
いきおい、変化の無い、いつもと同じ事の繰り返しこそ良い事のように思われます。だからこそ、いつもと変わらない物事に出会うとホッとした感情に浸るのです。
 
でも、変化の無い人生などあるでしょうか?
 
前号にも書いたように、全く同じことを繰り返し経験しても良いと思えるほど懸命に生きたり、今に満足したりしてはいないので変化する事が救いになるのに、変化しない事を望むのは矛盾しています。
 
 
話はそれるようですが、日本古来の着物の柄に小紋があります。
 
これは緻密に手彫りした版紙を反物に繰り返し当てて小紋の柄をのせて作るらしいのですが、これをコンピューター等を使用して機械的に作るととても正確に小紋の柄が整然と並べられるらしいのですが何かつまらない物になってしまうのだそうです。
 
わずかばかりの手の狂いや、ズレがあるからこそ我々にとって気持ちの良い物に感じられるのです。
 
では、変化があることが気持ちよく感じるのに、なぜ緻密に繰り返し小紋を彫り続けるのでしょうか?
 
多分、我々は同じ事を繰り返して、その中に安心を得ようとしながら変化をして行ってしまう事こそが、生きていると言う証なのかも知れませんね。
 
・・・とすれば、どんなに良く思える変化があろうと、悪く思える変化があろうと良い年悪い年と区別せず、恐れず受け止めて行くべきなのでしょうね。
 
前述した繰り返しの小紋の様な仕事を、ここの所作り続けているので幾つか写真を載せておきました。
 

ペンダント

リング1 リング2
 
繰り返して行く内に何か見えて来る事を期待して今年も仕事を続けていくつもりですので、どうぞ宜しく御願いします。